株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西啓介、本社:東京都港区)は、2019年6月8日(土)の三鷹3・2・2号(以下、東八道路)および放射第5号線(東京都杉並区下高井戸5丁目~三鷹市牟礼2丁目間)の開通による、周辺道路への影響効果に関する分析結果を発表いたします。
ナビタイムジャパンの「交通コンサルティング事業」では、ナビタイムジャパンの提供するスマートフォンカーナビアプリのプローブ交通情報※1や経路検索条件データなどの交通ビッグデータを用いた交通・観光分析を行っています。
●分析内容について
今回開通した東八道路および放射第5号線は、並行する甲州街道の交通渋滞が緩和されるとともに、周辺地域の生活道路へ流入する通過交通の減少による安全性の向上などが期待される道路です※2。
本分析では、東八道路および放射第5号線に並行する下本宿通に着目し、三鷹から八王子までを結ぶ「東京八王子線」の東側延伸部の開通により、特に周辺住民が日常的に利用する生活道路を走行する自動車に与えた影響について、開通前後の交通状況の変化を当社の道路プロファイラーを用いて分析しました。
●本分析結果の概要
-下本宿通の走行速度が約30km/h回復。
-生活道路として利用される下本宿通の交通量が減少し、交通の一部が今回開通した東八道路および放射第5号線に転換。
周辺路線の国道20号(甲州街道)や都道311号線(環七通り)にも交通量が分散して下本宿通の通過交通は約22%減少、周辺住民の生活道路としての有用性が向上した。
※1プローブ交通情報とは、同意を得たカーナビアプリ(カーナビタイム、ドライブサポーター他)の利用者を対象に道路を走行する際に自動車から送信されるGPS測位データを収集・分析することで道路状況を推測し、
生成する交通情報です。
※2東京都建設局
北多摩南部建設事務所
三鷹3・2・2号東京八王子線4車線開通(6月8日)「新しい道路が令和元年6月8日(土)に開通しました。」
(引用: http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/jimusho/kitanan/jigyou/kitatamananbu0042.html
5、6行目)
※データは、統計処理により個人が特定されない形式に変換した上で、分析に利用しています。
図1 位置図
●開通後、下本宿通の走行速度が約30km/h回復傾向
開通前後における周辺道路の自動車走行速度(図2)を可視化しました。開通前の走行速度を見ると、特に並行する下本宿通では最も交通量の多いところで約9km/hと、速度低下が顕著に見られます。一方、開通後の同区間を見ると約39km/hと、30km/hほど速度が回復していることがわかります。このことから、東八道路および放射第5号線の開通により、下本宿通の混雑が解消傾向であることが推察されます。
図 2 自動車の走行速度
●開通後、下本宿通の通過交通が約22%減少
開通前後の下本宿通と、東八道路の新規開通区間の交通割合(図3)を可視化しました。生活交通を「三鷹市および隣接市町村に出発地・目的地を持つ交通」、通過交通を「生活交通以外の交通」とした場合、開通後の下本宿通の通過交通が約22%減少していることがわかります。一方、東八道路の新開通区間の約77%が通過交通となっていることから、周辺を通過する交通の一部が下本宿通から東八道路の新規開通区間に転換していることが推察されます。
図 3 生活交通・通過交通の割合
●携帯カーナビプローブデータについて
携帯カーナビプローブデータとは、ナビタイムジャパンが提供するカーナビゲーションアプリ『カーナビタイム』、『ドライブサポーター』などにおいて、同意を得たユーザーを対象に、GPSにより1~6秒間隔で取得された車両ごとの走行実績データです。ユーザーを匿名化した上で、取得したプローブデータを交通量・交通流分析/所要時間・速度分析/走行挙動分析などに利用することが可能です。
・主な特長
-分析用途に応じて提供フォーマットの調整ができる
-走行実績を把握できる
-様々な車種のデータを取得できる
●「道路プロファイラー」について
道路プロファイラーとは、ウェブ上で簡単に道路交通に関する各種分析ができるシステムです。分析対象の道路や期間を自由に選択することができ、今回のような影響分析を行うことも可能です。
(HP:https://consulting.navitime.biz/roadprofiler/index.html)
●「交通コンサルティング事業」について
ナビタイムジャパンの交通コンサルティング事業では、道路交通や公共交通、国内観光や訪日外国人について、移動に関する各種ビッグデータを活用した分析をしています。