株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西啓介、本社:東京都港区)は、2019年ゴールデンウィーク期間中の東名高速道路(以下、東名)および新東名高速道路(以下、新東名)において、「伊勢原JCT付近~海老名JCT付近」の渋滞分析結果を発表いたします。
今年のゴールデンウィークは史上初の10連休となり、各高速道路の渋滞についても、渋滞回数などにおいて予想を大きく上回る状況となりました。特に長い渋滞が予想された東名においては、3月に開通した新東名の新区間(伊勢原JCT~厚木南IC)への分散・迂回が期待された区間でも、交通集中などによる渋滞が発生する結果となりました。
本分析では、東名上り線の渋滞長のピークであった5月4日(土)の交通状況について、新東名への車両分散状況に着目し、東名・新東名それぞれを利用した場合の所要時間をもとに、当社の道路プロファイラーを用いて分析をしました。なお、本分析ではナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ(カーナビタイム、ドライブサポーター 他)から取得した自動車の走行実績データを活用しています。
●所要時間分析では、東名ピーク時に新東名利用で約20分短縮
東名、新東名を走行したユーザーの伊勢原JCT付近~海老名JCT付近間の所要時間(図1)を可視化しました。東名利用の場合、午前中(11:00~12:00頃)および夕方から夜間にかけて通過に30分前後要していますが、当該区間を通過するユーザーの多くが東名を利用していることがわかります。
一方、混雑している時間帯(17:00~21:00)には、新東名を利用するユーザーも散見され、通過に要する時間も東名経由の約30分前後に対し約10分前後と、20分ほど短縮していることがわかります。
図1:伊勢原JCT付近~海老名JCT付近間の所要時間
●東名高速道路の混雑時、新東名高速道路へ交通が分散傾向
混雑時(17:00~21:00)と非混雑時(12:00~16:00)において、新東名を利用するユーザーの流出入状況(図2)を可視化しました。非混雑時、新東名を利用するユーザーの50%が圏央道相模原IC方面に向かっており、東名横浜町田IC方面に向かうユーザーは18%程であることがわかります。一方、混雑時は、新東名を経由し東名横浜町田IC方面に向かうユーザーが47%と、非混雑時に比べて約30%増加しています。
この結果から、東名の同区間が混雑している場合、新東名から再度東名を利用して東京方面に向かうルートを選択する傾向があることが伺えます。
図2:新東名走行ユーザーの流出入状況
図3:カーナビアプリ内で表示していた推奨経路
ナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ(カーナビタイム、ドライブサポーター他)でも、所要時間や渋滞をリアルタイムに考慮した案内を提示しています(図3)。
ナビタイムジャパンでは今後も、開通直後の道路情報や時々刻々の道路状況に応じた適切な情報の提供と、ビッグデータによる検証などを通じ、国内の混雑緩和に貢献していきます。
●携帯カーナビプローブデータについて
携帯カーナビプローブデータとは、ナビタイムジャパンが提供するカーナビゲーションアプリ『カーナビタイム』、『ドライブサポーター』などにおいて、同意を得たユーザーを対象に、GPSにより1~6秒間隔で取得された車両ごとの走行実績データです。ユーザーを匿名化した上で、取得したプローブデータを交通量・交通流分析/所要時間・速度分析/走行挙動分析などに利用することが可能です。
・主な特長
-分析用途に応じて提供フォーマットの調整ができる
-走行実績を把握できる
-様々な車種のデータを取得できる
●「道路プロファイラー」について
道路プロファイラーとは、ウェブ上で簡単に道路交通に関する各種分析ができるシステムです。分析対象の道路や期間を自由に選択することができ、今回のような影響分析を行うことも可能です。
(HP:https://consulting.navitime.biz/roadprofiler/index.html)
●「交通コンサルティング事業」について
ナビタイムジャパンの交通コンサルティング事業では、道路交通や公共交通、国内観光や訪日外国人について、移動に関する各種ビッグデータを活用した分析をしています。